3月1日(月) 「New York, I Love You」

 先週末、友人と日比谷に「New York, I Love You」を観に行った。友人には、何本かの映画の中から、観たいものを選んでもらったのだが、彼女が選んだのがこの映画だった。

 その理由の一つは、岩井俊二監督が、この映画を紡いだ11人の監督の一人として、参加しているかららしい。

 彼女がこの映画を選ばなかったら、例によって、一人でも観に行くつもりだった。たぶん、この冬、一番観に行きたかった映画である。

 公開されたばかりで、これから観に行く人もいると思うので、内容に触れることは控えるが、ニューヨークの魅力の一つである「多様性」が、思う存分描かれていた。

 そして、大人の街としてのニューヨークも・・・

 想像力を働かせながら観ないと、難解な部分もあるが、それがまた楽しい。

 かつてのウッディ・アレンの作品に通ずるところがあった。一般受けはしないかもしれないが、通好みの映画である。



 話は逸れるが、ニューヨークに行って感じた事に、「自分の気持ち(欲すること)を伝えるためには、相手とコミュニケーションを取らなければならない」ということがある。

 日本であれば、「言わなくても察してもらえる」ということが多々あるが、ニューヨークでは、一切そのようなことはない。カルチャーが違うのだから、当り前のことである。

 でも、よくよく考えれば、「言わなくても察してもらえる」のは、あったとしても、親子の間ぐらいで、それ以外の関係のおいては、そう思っていただけ、もしくは、そう思いたかっただけで、実際は、思いは通じていなかったのだと言うことに気付いた。

 この歳になって、間抜けな話である。もっと早い時期に気付いていれば、辛い思いの一つや二つは減らせたかもしれない。



 映画の中でも、「I Love You」を伝えるのに、自分のありったけの力を注いでいることが感じられた。

 いい加減なことをしていては、幸せはつかめないのだ。

 このことは、何も、恋愛に限ったことではないであろう。



 余談だが、私たちが「ニューヨーク・アイラブユー」を観に行ったのは、たまたま、公開初日の初回であった。

 映画を観終わって、外に出て、予約していたレストランに向かおうと、傘を開きかけていたところに、「ぴあ出口調査隊」が現れた。

 「ぴあ出口調査隊」という名称も、後から知ったのだが、公開初日に、映画館の出口でアンケート調査をする人たちのことを指すらしい。

 あまりにも突然のことだったので、上手に喋れなかったうえに、不覚にも、年齢をサバ読むのを忘れてしまった。

 ので、まさか採用されることはないとは思うが、もしかしたら、雑誌『ぴあ』に写真入りで記事が掲載されてしまうかもしれない。

 雑誌の発売日は一応は聞いたが、万が一掲載された場合、どんな顔で写っているかわからないので、内緒にしておこう。

 ともあれ、おもしろい経験をさせてもらった。声をかけてくれた君に感謝!