5月28日(木) 子育て中のこと

 子供を2人産み、長男が小学校1年生、長女が幼稚園の年中さんまで、埼玉県のU市で暮らした。
5月21日(木)の日記にも書いたが、長男出産後は、産休が明けて、抱えていた仕事に、区切りを付け、年度末で退職した。

 今から思えば、もったいない事をしたようにも思うが、「後ろは振り返らない」、をモットーにしている私としては、新しい生活へと飛び込んだ。

 とは言っても、夫婦喧嘩をした時、「稼ぎもないくせに」と言われれば、悔しくて、「あなたが辞めて欲しいって言ったから」などと、つい、言ってしまったことは、何度かある。

 家に入った私は、完璧な母、妻、主婦(順不同)の、理想像を勝手に作り上げ、追い求めていたように思う。

 常に、専業主婦になったのだから・・・という事が、頭から離れず、××しなくては、という強迫観念が、つきまとっていたようにも思う。

 もちろん、当時、そのような事を、常に、意識していた訳ではない。

 しかし、例えば、編み物である。その昔、ボーイフレンドにベストを編んだくらいで、それも毛糸を購入したお店の人に、度々教えてもらって、やっと、仕上げた私だったが、子供が生まれたからには、手編みのセーターくらいは編まなくては・・・とくるのである。

 毛糸と道具と本を買い込み、子供が寝ている間に、せっせと編んだ。分からないところは、当時住んでいたマンションの、隣の方に教えてもらった。とても子供好きの方だったので、子供を連れて、お邪魔した。

 セーターは長女が生まれた時に、サイズ違い、色違いで、もう1枚編んだ。2枚目は自力で編むことが出来た。2枚のアラン模様のセーターは、今でも大切に取ってある。

 次は、洋裁である。女の子が生まれたからには、手作りワンピースくらい着せなくては・・・である。

 こちらは、学校の家庭科でやっただけなので、初心者である。やはり、同じマンションで、生協を一緒に頼んでいた友人が、洋裁科を出ていて、子供を遊ばせながら、手取り足取り教えてくれた。

 洋裁は少しの間はまって、娘とお揃いで自分のワンピースを縫ったり、兄妹お揃いのショートパンツを縫ったりもした。いずれも、箪笥の隅で眠っている。

 他にも、通過儀礼などは、滞りなく行った。

 子供には、毎晩絵本の読み聞かせをし、幼児教室や体操教室や英語教室にも通わせ、一通りのことはやったのではないだろうか?

 何をそんなに頑張っていたのだろう?もっと、肩の力を抜いてもよかったのに。自分の事など、二の次、三の次にして。

 子育てについては、今でも、もっと違う育て方が、あったのではないかと、ふと、考える。いくら、後ろを振り向かないとは言っても、自分自身のことではないからだろう。

 子育てを一緒に乗り越えた?友人たちとは、引っ越した後も、定期的に会っている。

 もちろん、すべての悩みを打ち明けられる訳ではないし、また、そうこうしている内に、解決してしまえば、それで、目出度し、後で聞いて、笑い話。結構なことである。

 でも、一人で抱えきれないことが起こったら、きっと、助けを求めてしまう・・・そんな、友人たちである。