6月2日(火) 自分の力で生きていく

 先週の土曜日、娘のPTA広報委員会と、息子の修学旅行説明会&学級懇談会を掛け持ちして、帰宅途中、主人に薦められた本を買うため、新宿のジュンク堂に寄った。

 宿題が多くて、少々疲れ気味である。

 ジュンク堂には、書籍検索システムがあり、書名を入力して、在庫と、配架位置を確認した。ちょうど、朝日新聞の同日の朝刊に、「出版界地殻変動」の記事が掲載されていて、私の入力情報も、大日本印刷から、主婦の友社に伝えられて、出版物の企画に役立てられるのね・・・などと思いながら、書架に向かった。

 宿題の本をすべて揃え、ふと横に目をそらすと、『14歳からの世界恐慌入門』のタイトルが目に入った。NHK週刊こどもニュース」のお父さん役として、1994年から11年間活躍した、池上彰さんが書いている。

帯には、ベストセラー『14歳からの世界金融危機』に続く第2弾とある。

ところが、そちらは見当たらない。

再度、書籍検索システムのところに戻り、調べて、別の書架へと向かう。

ありました。ついでに、同じく、池上彰『14歳からのお金の話』も買う事にし、レジで精算した。

最初の2冊は〝45分でわかる〞という、吹き出し文字が気に入った。

 おまけの1冊は、簡単すぎるような気もしたが、念のため購入。

 娘は14歳、中学校3年生である。学校の公民の授業で、株式学習ゲームをやっているのだ。

 少し前に、主人に、「パパならどこの株買う?」と、skypeで質問していたのを思い出した。

 私も、心の中で、リスクヘッジするためには、分散投資に決まってるわ・・・と思いながら、主人と娘の会話を横で聞いていた。

 このプログラムは、日本証券業協会が、株式について理解を深めてもらうために、証券広報センターを通して、無料で学校を対象に行っている。

 どこかで、聞いたことがあるわ、と思ったら、主人が大学のゼミ生にやらせていたのだ。

ちょうど、書斎で、ゴールドマン・サックス証券マネージング・ディレクター、キャシー・松井さんの、『子供にマネーゲームを教えてはいけない』(講談社+α新書)を見つけて、読もうと思っていたので、娘に渡す前に、4冊ともに目を通した。

キャシー・松井さんは、著書の中で、子供の時に学ぶべきことは、「働くことの大切さ」「人を思いやり、助けようとする気持ちの大切さ」であり、「子供にマネー・ゲームを教えてはいけない」と主張している。

 金融業界のど真ん中にいる人だけに、言葉に説得力がある。私も、大賛成である。

 ただ、娘を見ていて、私の時代にも、こんな授業があったら、面白かっただろうな〜と思うし、もしかしたら、進路も違っていたかも、とも思う。

 株式学習ゲームを通して、ニュースに興味を持ち、自分の知識を総動員して、考える。
100円と、90円の、どちらが円高なのか、も曖昧だったのが、円高になると、日本の輸出産業は打撃を受ける、自動車業界のリストラが進む・・・ここまで、考えが及ぶようになる。

 もし、もう一歩進んで、解雇された人の生活はどうなるのか、再就職支援活動は、保険は、など、社会的弱者の人たちに、思いを寄せ、その解決策を考え、また、逆説的ではあるが、解雇されないためには、どうしたらいいのか、自分の将来を真剣に考える時期にさしかかっている。

 親は順当にいけば、子どもより早くこの世を去る。親が子どもに伝えるべきは、お金では無く、たくましく生き抜く力であろう。