6月15日(月) 数学(数式)は美しい?

 少し、読書する元気が出てきたので、先日、新宿のジュンク堂で、夫からの宿題として、購入した本の内の1冊、今野浩『すべて僕に任せてくださいー東工大モーレツ天才助教授の悲劇―』(新潮社)を、パラパラとめくってみた。

 どうして、夫がこの本を、私に読ませたかったのか、考えながら読み進めた。

 多分、大学教員は研究・教育以外の雑務が多く、激務だということ、取り分け、新学科立ち上げなどに携わったら、尚のこと、だという事を理解して欲しかったのかな?

 私が、ベッドで寝ころんでいる夫に、〝暇でいいね〞と、嫌味を言えば、〝寝ながら、考え事をしている〞と、よく反論された。

 私だって、そんな事は百も承知の上である。

 家事が一段落して、ソファーで読書している私に、〝三食昼寝付き、暇でいいね〜〞などと、要らぬことを言うから、こっちも、ひとこと言いたくなるのである。

 沈黙は金。お互い、余計な事は、言わない方が、安泰である。

 ところで、私はこの本を読んで、だいぶ前に本でも読んで、映画も観た、小川洋子博士の愛した数式』を、思い出した。

 「交通事故による脳の損傷で記憶が80分しか持続しなくなってしまった元数学者『博士』と、博士の新しい家政婦である『私』とその息子『ルート』の心のふれあいを、美しい数式と共に描いた作品」(ウィキペディアより)である。

 この時、〝数式が美しい〞という感覚が、理解出来なかった。〝潔い〞なら、まだ分かるのだが・・・

 小説・映画のセリフだし、大げさよね〜、と思い、しばらく忘れていた。

 ところが、今回、この本を読んで、実在の研究者が、数式のみならず、数学は美しいと、言い放っているのだ。

 私も高校時代、数学は結構好きな方だった。とは言っても、文系コースだったので、数ⅡBまでしか、履習していない。

 数Ⅲをやらずして、数学を語るなと、言われそうである。

 理系の人は、皆、〝数学(数式)は美しい〞という感覚が分かるのだろうか?

 私も、是非ともそういう感覚を味わってみたいが、色々やりたいことはあるし、数学の勉強までは、手が回りそうに無い。

 〝数学(数式)は美しい〞を理解することは、私にとって外国語をマスターするより、難しい課題のようである。