6月21日(日) 落語講演会(その1)

 昨日は、予てより予約をしていた、柳家小団治師匠の落語講演会を聞きに行った。

 体調も万全ではなかったが、テーマが「笑う門には福来たるー落語で癒そう心のストレスー」だったので、午前中休養して、午後からゆっくり出かけた。

 柳家小団治(6代目)は、1995年に落語家初の〝人間国宝〞に認定された、故5代目柳家小さん師匠のお弟子さんである。

 5代目柳家小さんと聞いて、ぴんとこなくても、以前、永谷園や、墓所・墓石の須藤石材のCMに出演していた人、と言えば分るだろう。

 小団治師匠は、1965年中央大学在学中、5代目柳家小さんに入門し、1975年二つ目で小団治を襲名、1979年に真打に昇進している。

私自身、学園祭で落語研究会の噺を聞いたことはあるが、プロの噺を聞くのは初めてだったので、とても楽しみにしていた。

 噺は、数年前にブームになった、「寿限無」と、「鼓ヶ滝」の2本立てだった。

 「寿限無」は前座噺、「鼓ヶ滝」真打噺である。

 「寿限無」が、落語噺というのは知っていたし、我が家の子どもたちも、その当時、「じゅげむじゅげむごこうのすりきれ・・・パイポパイポパイポシューリンガン・・・」と、口ずさんでいた。

 落語である以上、〝オチ(サゲともいう)〞があるはずだが、知らなかった。

 噺家によって、微妙な違いはあるらしいが、昨日、私が聞いた噺のあらすじは、以下である。

 男の子が生まれた父親が、裏の隠居を訪ね、めでたい名前を色々教えてもらうが、決められず、その全てを名前にしてしまった。その名前が、「寿限無寿限無・・・」である。子どもはすくすくと育ち、ある時、近所の男の子とけんかをして、殴られた相手の子が、寿限無君の両親に言いつけに来る。やり取りの中で、長い名前が繰り返されているうちに、たんこぶが引いてしまった、というのがオチであった。

 前座噺という事もあって、噺の内容と言うよりも、早口言葉の面白さが受けるのだろう。

 でも、そこは、さすが真打、人物の演じ分けや、会話の間の取り方などが絶妙で、楽しく聞くことができた。

 「鼓ヶ滝」は、真打噺だけに、なかなかオチが分からなかったが、最後、なるほどね!と思えるお噺だった。

 師匠の落語の導入部、身近なところにも、ネタは転がっている、という話から一つ。

 箱に向かって、「あぁー。あぁー。あぁー」と大きな声で叫んでいるご老人。いなくなってから、箱を覗いてみると、「あなたの声をお聞かせください」の文字。

 最初からオチは分かったが、思わず涙が出るほど、笑ってしまった。

 私の身近で、そんな事をしそうなご老人の顔が、思い浮かんだからである。