7月29日(水) Ask and you'll receive. If you want it, go for it.

 帰宅して、ひととおりの家事を済ませてから、お風呂に入り、ようやく自分の時間になる。

 何日か前、夫お勧めの、亀井俊介『ニューヨーク』(岩波新書)を、アマゾンで購入する際、〝この商品を買った人はこんな商品も買っています〞コーナーで、読んでみたい!と思わせる本の名前を見つけた。

岡田光世さんの、『ニューヨークのとけない魔法』(文春文庫)である。

 中を見ることはできないが、中古本で1円(送料340円)だったので、続編の『ニューヨークの魔法は続く』も併せて購入した

 2冊とも、心引きつけられて、一気に読んでしまった。

 ゴールデンウィークの訪問が、実質ニューヨーク初めてだった私が、その時肌で感じた事が、いっぱい書いてあった。

 私は、ニューヨークは他人には無関心で、孤独を感じる大都会と思っていたが、実際は、人と人の心が触れ合う瞬間に満ち満ちていたこと。

 現金がもう無いことに気づいて、トラベラーズチェックを現金化しようと思い、近くの銀行に行った時のこと。

 受付で、最初は、口座を持っている顧客でなければできないと断られたが、拙い英語で頼みこんだら、上司に相談して、特別に交換してくれた。

 グランドゼロで、急な雨に、それもバケツをひっくり返したような雨にみまわれた時のこと。

傘を持っていなかったが、目的の建物までわずかだったので走っていたら、一緒にどうぞと傘を差し出してくれた紳士。(この時は、夫がすぐ前を走っていたので遠慮してしまったが・・・)

 ヤンキー・スタジアムに行った時のこと。

 この旅行で訪れた、メトロポリタンミュージアムで購入したバッグを持っていたら、「そのポーチ素敵だね(イカすね)」と、気さくに声をかけてくれる若者。

 でも、私も負けていなかった。

 地下鉄の階段で、大きなベビーカーを持ちあげて登ろうとしていた黒人のお母さんに、思いきって「May I help you?」と声をかけ、持つのを手伝ってあげた。

 「Thank you」の言葉が、この上もないご褒美に思えた。

 同じく、地下鉄の改札で、passの入れ方が分からない旅行者に、ジェスチャーで教えてあげた。

 親切が、街のあちこちに転がっている。

 Ask and you'll receive. If you want it, go for it.

求めよ、さらば与えられん。ほしければ、手に入れろ。

 私には、足りないところがたくさんあるが、臆病で、勇気がないところ、言いかえれば、卑怯者である。

 待っていても何も変わらない。

 傷つくことを恐れて、大切なものを、一体いくつ失ってきたのだろう。

 ニューヨークの街を歩いて、そんな事にまで気付かされた。

 一歩ずつではあるが、着実に私は変わっている。