9月8日(火) ニューヨーク日記 その7(8月31日)

 帰国当日の朝を迎えた。朝慌てないように、昨夜のうちに荷作りは済ませておいた。

 昨夜は、そのため、忙しさで帰国の淋しさを紛らわすことが出来た。でも、当日の朝は駄目だった。子どもがいたので、泣く訳にはいかなかったが(後々まで何を言われるかわかったものではない)、1秒1秒が大切に思えた。

 身支度を整え、脱いだパジャマ、使った洗面道具、化粧用品など、最後の荷物をスーツケースにしまって、鍵をかけた。

 自宅近くにある、お馴染みのダイナーに行き、朝食をとる。

 アメリカ人が外で朝食をとる場合の、典型的なメニューである。(自宅ではシリアルだけの朝食だったりする。)

 卵料理(卵2個の目玉焼きorスクランブルエッグ)、ハッシュド・ポテト、ソーセージ2本orかりかりベーコン3枚、パン2枚(バター、ジャム付き)、ジュース(オレンジorアップル)、コーヒー。

 これで7ドル40セント(チップ込み)である。

 私は野菜が食べたかったので、ソーセージorかりかりベーコンの代わりに、ブロッコリーにしてもらったこともあるし、娘はコーヒーが飲めないので、ジュースをラージサイズにしてもらったりした。

 この辺りは、臨機応変に対応してくれる。でも、求めなければ得られない。

 量がとても多いので、パンはいつも1枚残してしまう。

 家族4人でいただくニューヨーク最後の食事。このまま時間が止まってしまえばいいのに、と思った。

 比較的ゆっくりと朝食の時間を過ごしてから、いったん自宅に戻り、荷物を持って、タクシーでニューアーク・リバティ国際空港に向かう。

 タクシーの運転手さんに行き先を告げると、「行き方を知っているか?」と逆に聞かれてしまう。大丈夫かしら?と思ったが、無線で仲間に聞いて、それからは順調だった。

 空港は、さほど混んではいなかったが、チェックインしたら、ゆっくりお茶をする時間は残っていなかった。

 息子は、私と隣同志になりたくないからと、別々にチェックインしたので、席が離れた。高校2年生とは、そういうお年頃なのだろう。

一人ニューヨークに残る娘は、夫の隣でつまらなそうにしている。まだ、ニューヨークを楽しめないようである。

 不安は残ったが、夫と、ニューヨークの人々、ニューヨークの街が持つ、不思議な力に委ねることにした。あと一週間で、ニューヨークを好きになって、英語を学ぶモチベーションを高めてくれたらいいな、と思った。

 子どもがよそを向いているうち?に、夫としばしの別れを惜しんだ。

 帰りは、偏西風に逆らって飛行機が飛ぶので、14時間かかる。おまけに、飛行機はほぼ満席との事。行きはよいよい、帰りは・・・である。

 結局映画を3本も観てしまった。(風と共に去りぬプラダを着た悪魔、CHICAGO)

 コンチネンタル航空は、料理ははっきり言ってまずいが、映画のプログラムが200以上あって、この点は高く評価している。

 行きも、20世紀少年Ⅱと、ロッキー(フィラデルフィアに行くので)を観た。

 帰りは多少揺れたが、無事成田に着き、私の本当の夏休みは終わった。

 先程、ニューヨークの夫からSKYPEで、今起きたので、準備が整い次第、朝食を食べて、娘を空港まで見送る予定、との連絡が入った。成田では私が迎える。

 夫の話では、娘が、来夏もニューヨークに来たいと言っているとのこと。何より嬉しい。

 ただ、夫は年度の授業が終わったら、早々に帰国したいとも言っていたので、どうなる事やら。

 アパートメントは、8月まで借りているので問題ないが、単身赴任期間を延ばしてもらう事になるのかしら?先の事はまだ分からない。

 私も、年末年始に行くのが最後かと思っていたが、夏までいるという事になれば、あと何回かニューヨークに行かなければならない。

 なーんて。行けるんだ!!

 まだまだ、楽しみは続きそうである・・・淋しさとひきかえに。