9月16日(水) ケイトウの花

 ケイトウの花の開花期は、8月から10月ということなので、実際は夏から秋にかけての花ということになるが、花屋さんで目につくようになるのは、やはり9月に入ってからである。

 今年も、形・色ともに、様々なケイトウの花が、店先に並んでいる。

 花の形は、丸くなって咲くものや、槍のように尖るものが一般的である。花の色は、赤・黄・橙色の暖色が目につく。

 毎年、ケイトウの花を見ると、小学校2年生の自分を思い出す。

 詳細は忘れたが、2学期のある日、小学校の教室の窓辺に、ケイトウの花が飾られていて、担任の先生が、「この花は、ケイト(ウ)の花ですよ」と教えてくれた。

 私はこの時、花の風合いを見て、先生の説明に妙に納得し、ケイトウの花を、〝毛糸の花〞とインプットしてしまった。

 その後、大人になって、華道を習うまで、勘違いしたまま月日が経った。

 もちろん、ケイトウの花は、「鶏頭の花」が正しい。

 花が鶏の鶏冠(とさか)状に見えるので、この名前がついたらしい。英語でも「cocks-comb(鶏のとさか)」と言うくらいなので、世界共通なのかもしれない。

 でも、「鶏頭」を、〝毛糸〞と感じた私の感性は、まんざらでもないと、今でも思っている。

 花屋さんの花札に、「鶏頭の花」とあるより、〝毛糸の花〞の方が、温かそうでかわいらしいのではないか・・・