10月22日(木) 結婚20周年を迎えて

 10月22日、私たちは20回目の結婚記念日を迎えた。至らないところばかりの私と、20年間一緒にいてくれた夫に、心から感謝している。

 外から見れば、幸せそうに見える夫婦でも、様々な問題を抱えていたり、過去に修羅場をくぐり抜けた経験があるという事を、アラフィフの私たちはよく知っている。

 私たちも例外では無い。だからこそ、20回目の結婚記念日を、共に迎えられたことが、この上もなく嬉しい。

 今年の4月から、夫がニューヨークに留学している。そして、私は日本にいる。

高校2年生の息子は、1留年することを嫌い、中学2年生の娘も、せっかく慣れた学校生活、特にクラブ活動から離れることを嫌がった。

 そして、私はと言えば、ついて行く決心がつかなかった。

会社の転勤と違って、一年半の期限付きだった事が、一番の要因であったことに違いはない。子ども達の学校のことも確かにあった。自分の英語能力に全く自信が無かった。正職員として働き始めたばかりで、年齢を考えると、一度辞めたら、二度とこんなチャンスはないようにも思えた。

 夫との関係も、子ども中心の生活を送っているうちに、多くのアラフィフ世代の夫婦と同じく、夫婦とは名ばかりの、同居人のようになっていた。夫も、何が何でもついて来てと言わなかったので、多分、同じ気持ちでいたのだと思う。

 ここまでは、今年3月までのお話・・・。

 私たちは今までにも、夫が九州の大学に就職した際、3年間の別居生活を経験している。別居といっても、平均すると、隔週で上京していたし、夏休み、冬休み、春休みは、ほとんど東京で過ごしていた。

 よく考えれば分かったはずだが、時差が13〜14時間ある(飛行機でもほぼ同時間かかる)東京とニューヨークの距離を甘く考えていた。

 離れてから1か月もしないうちに、後悔し始めた。一緒にいることの大切さに、今更ながら気付いた。

 夫は、言葉が不自由な異国での一人の生活に苛立っていた。そんな夫を見て、自分の取った行動を反省した。その他、諸々の事情もあって、急遽私は、ゴールデンウィークを利用して、ニューヨーク行きを決めた。

 お互い、言いたい事を、言いたいだけ、言い合った。正面からぶつかった。久しぶりに二人で遊びもした。コミュニケーションをとる大切さが身に沁みて分かった。

私は夫が授業を受けている間、一人でニューヨークの街を歩いた。ニューヨークの持つ不思議な力で、私の心は、ふっと軽くなった。セントラルパークには、私の中から抜け落ちた、「型にはめる病」「臆病」が今でも転がっているに違いない。

 まだまだ、変わらなければならないところは、たくさんあるかもしれない。でも、今はあまり力まず、少しずつ前に進める気がする。

 恥ずかしさを隠さずに告白すれば、シーンと静まり返った夜など、あまりにも淋しくて、泣いてしまう事もある。それでも、夫を愛する気持ち、大切に思う気持ちを、今一度気付かせてくれたニューヨーク留学は、私にとって、最高の20周年のプレゼントだと思う。