1月7日(木) ニューヨーク日記3(12月25日)

 ニューヨーク滞在3日目は、朝から曇っていた。・・・と言っても、昨晩の飲み過ぎで、かなり寝坊してしまった。

 昨日の日記に書いたように、この日は、5番街にあるセントパトリック教会のクリスマスミサに参列するつもりだったので、正午からのミサに間に合うように、急いで朝食を取って出かけた。

 前の回のミサがちょうど終わったようで、続々と人が出て来るところだった。幸いにも私たちは、祭壇がよく見渡せる、前の方の席に座ることができた。

 クリスマスミサに参列するのは、娘が幼稚園に在園中以来である。娘はカトリックの幼稚園に一年間通ったため、クリスマスに一度だけミサに行ったことがあるのだ。

 ミサは粛々と進行した。ミサで歌われた讃美歌には、ENTRANCE HYMN(賛美歌の意)、GLORIA、GOSPEL ACCLAMATION、HYMN(清しこの夜)など、キリスト教信者ではない私たちにも、馴染み深いものが多かった。

 GRORIAなどは、「グローーーーー、オーーーーー、オーーーーー、オーリア・・・」の部分だけでいいから歌いなさい、とミサの最初に神父さんから指示があり、実際、そこのフレーズになると、右手を横に大きく開いて、“さあ、ご一緒に”という感じになった。

 私も、せっかくのクリスマスミサなので、歌詞を知っている部分は歌い、知らない部分についても、ハミングで参加した。

 ミサの最後に、神父さんから、薄いせんべいのようなものをいただいた。膝を少し折ってお辞儀をしながら両手で受取り、十字を切ってから口に入れる。本来は、ミサの後に司祭が、信者一人一人の口に入れるものらしい。

 あとから調べて知ったのだが、この薄いせんべいのようなものは聖体で、キリストの肉体を象徴化したものだそうだ。

 この聖体拝受の儀式には、キリストと一体になるという意味がある。キリスト教信者でもないのに、どうやら私たちは、キリストと一体になってしまったらしい!

 話は横道に逸れてしまうが、この薄いせんべいが、オブラートの原型だそうだ。

 ミサが終わってから、アヴェニューを東に2本歩き、私がまだ行ったことがなかった、グランド・セントラル駅に向かった。

 途中、大統領をはじめ、政財界要人が利用するウォルドルフ・アストリアホテルに立ち寄った。雰囲気は少し、ホテルニューオータニに似ていた。ランチヴァイキングが美味しそうだった。

 でも、よく考えれば、さっき朝食を食べたばかりで、さほどお腹も空いていないので、少しヘビーなような気もしたし、念のため聞いてみれば150ドル?で、ランチにしては少々高めだし、第一、すでに予約で一杯だった。

 結局トイレだけ借りて、グランド・セントラル駅に向かった。日本でいえば東京駅のようなところだが、実際、所々、東京駅丸の内口に雰囲気が似ていた。

 構内には有名なオイスター・バー・レストランがあるが、クリスマスでお休みだった。滞在中にいつか来ることにして、自宅に一度戻った。

 12月25日のクリスマス当日は、土産物店と、飲食店は開いていたが、ブランドショップはほとんどお休みであった。

 キリスト教信者にとってクリスマスは、ミサに出て、家族とともにキリストの誕生を祝う厳粛な日なのである。日本人のように、お祭り気分でこの日を過してはいけないのだ。

 自宅に戻って、2時間お昼寝をしたあと着替えて、今度は、ブロードウェイに出かけた。51丁目のウィンター・ガーデン劇場で、ミュージカル「マンマ・ミーア」を観るためである。

 駅に降り立つと、少し雨が降っていた。傘を1本買って、日本食レストランに行き、ミュージカルの前に天婦羅うどんで軽く夕食を済ませた。夜は自宅で飲むので、夕食は軽くしている。

 ABBAの曲満載の、ミュージカル「マンマ・ミーア」は、とにかく、めちゃくちゃ楽しかった。クリスマスの夜なので、楽しめるミュージカルをと思い、夫に予約してもらっていたが、大正解であった。前から数列目のオーケストラ席だったので、臨場感も最高だった。

私の右隣は夫、左隣はかっこいい男性の二人連れだった。最初は深く考えないでいたが、クリスマスの夜の、ミュージカルのオーケストラ席に男性の二人連れ=カップルに違いなかった。

性には明るいアメリカ人である。ゲイあり、レズあり、何でもありである。

話は逸れるが、目抜き通りに、セクシーショップが堂々と店を構えている。私も日本では行ったことがなかったので、滞在中、社会勉強のつもりで入ってみたが、店内はスーパーみたいな感じで明るく、商品もいろいろと豊富だった。

 ミュージカルを観たあと、DELIでサラダや缶詰を買って、今夜も自宅で乾杯をした。