4月12日(月) イノベーションの話

 先日、電池に関するイノベーションについての話を聞く機会があった。日本では、1958年の『経済白書』において、イノベーションが「技術革新」と訳されてから、イノベーションは、「技術革新」「経営革新」「革新」「刷新」などと言い換えられる。(ウィキペディア

私がイノベーションという言葉を聞いて、すぐに思い浮かべるのは、「Innovation for Tomorrow」という、ダイハツ工業のコーポレーションスローガンである。このスローガンは、2007年3月1日から現在まで、引き続き使われているらしい。

その前の「ワンダフルスモール」(2003〜2007年)も記憶にあるので、ダイハツ工業は、なかなか上手いCMを作成している。

 話を戻して、イノベーションについてだが、ウィキペディアによれば、「新しい技術の発明だけでなく、新しいアイディアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革」のことを指す。

 つまり、私が聞いた電池に関する話、ニッケル・カドミウム電池、ニッケル・水素電池からリチウムイオン電池に至る発明の話は、まさしくイノベーションの話であった。

 アラフィフの主婦なら、子どもの小学校の運動会や学芸会で活躍した、8ミリビデオの充電池の取扱い説明書に、使用しなくても電池量が減少する旨と、継ぎ足し充電を繰り返すと、やがて充電されなくなる旨の注意書きがあったのを覚えているだろう。

 これは、当時使っていた電池が、ニッケル・カドミウム電池だったためであり、後に、カドミウムが有害(イタイイタイ病の原因物質)であり、廃棄時に環境に与える影響が大きいという事で、ニッケル・水素電池に変わっても同様であった。

 両者とも、自然放電が多く、メモリー効果が顕著であるという問題点を抱えていた。

自然放電とは読んで字の如く、使用しなくても、自然に放電してしまうという現象のことである。

 メモリー効果とは、電池がfullの状態が10だとすると、10使い切ってから充電すれば、毎回10の量を充電するので、いつまでもfullの状態は10のままだが、5しか使わないのに充電してしまうと、電池は次回から5の量を充電すればいいと記憶してしまい、次回10使い切ってから充電しても、5しか充電されず、fullの状態が5になってしまう現象をいう。(実際はそう簡単ではないが、単純化するとこういうことである)

 初期の携帯電話もニッケル系の電池だったので、購入の際には、なるべく使い切ってから充電して下さいと、店員さんに言われた覚えがある。

 私はまだ、この習慣から抜けきれず、つい、残量が少なくなってから充電してしまう。それに引き換え、子どもたちは、すぐに充電器に携帯電話をセットしている。現在では、それが正しいのである。

 なぜなら、現在の携帯電話に使用されている電池は、リチウムイオン電池だからである。リチウムイオン電池は、ニッケル系の電池に比べて、自然放電が格段に小さく、メモリー効果も小さいからだ。

 こういう事が、まさしくイノベーションということである。

 もちろん、リチウムイオン電池にも欠点はあり、イノベーションは果てしなく続く。

 私はそもそも理系ではないし、高校時代には、あまりにもユニークな教師から化学を教わったので、基礎学力も皆無である。

 それでも、最近は解らないながらも、多分野の話を、聞いたり読んだりすることが楽しくなってきた。

 知識が、骨となり肉となる年齢ではない気もするが、楽しいのだから、頭にも心にもいい影響を与えていることは、間違いない!