6月8日(火) 「37 WALL STREET」

 週5日働いて、土曜日に学校行事が入ったりすると、日常の家事をこなすだけでも、不器用な私は手いっぱいなので、その他のことは、少しずつ片付けていくことになる。

 今日は、仕事帰りに、夫と待ち合わせて、この夏の終わりまでは持ちそうにない、リビングのエアコンの買い替えのための下見に行った。

 今日のところは、メーカー説明員に話を聞いただけで帰ってきたが、以前にも書いたように、話を聞くならメーカー説明員、とても参考になった。

 もう一軒くらい回って、別のメーカー説明員に話を聞いて、購入することになるだろう。

 引っ越して来て10年が経って、家電製品がちょうど買い替えの時期になって、何かと物入りである。

 話は変わるが、今朝、子どもたちを送り出してから出勤するまでの間、少し時間が取れたので、ニューヨークで買い物をした際の、ショップの袋の整理をした。

 袋を整理しながら、選んだ時の様子はもちろんのこと、訪れた場所、そこでの会話などが克明に思い出され、懐かしさで胸が一杯になった。

その中に、色がブルーで、持ち手が白、という袋が3枚あった。

ファンならすぐに分かると思うが、言わずと知れた、「ティファニー」の袋である。

結婚20周年とクリスマス、お誕生日のプレゼントを、昨年はすべてティファニーで選ぶという、贅沢をさせてもらったが、普段は堅実な暮らしを送っているので、たまには許してもらおう。

ティファニーの袋を3枚並べて見て、「あっ!」と思わず声を出してしまった。直ぐに、「見て!見て!」と叫びながら、1階の書斎に駆け込んだ。

 3枚のうち2枚は、見慣れた「TIFFANY&CO.」の文字。残りの1枚には、「37 WALL STREET」とあった。

 忘れもしない、クリスマスプレゼントのピアスを買ってもらった時の袋である。

 あの時は、お目当てのピアスが、本店は品切れで、ウォールストリート店に1点だけあると言われて、寒い中、地下鉄でウォールストリートに向かったのだった。

 そのおかげで、ニューヨーク証券取引所前にある、素敵なクリスマスツリーを見ることができたのだし、ティファニーウォールストリート店の存在も知ることができたのだ。

 ところで、この袋にはTIFFANYの文字が無いじゃない、と思って眺めると、袋の内側に、ちゃんと、「TIFFANY&CO.」とあった。

 最初は、ピアスを本店で買えないことにがっかりしたが、クリスマスツリーを見ることができて、却って良かったと思い直し、半年経って、袋のことで新たな発見があり、ウォールストリート店で買えて、本当に良かったと思った。

 袋は、もしかしたら「37 WALL STREET」の方が、希少価値があるかもしれない。