6月28日(月) 焼き立てパンの後はジャズ!

 焼き立てパンの幸せな匂いとともに始まった日曜日は、午前中、手洗いしてあった冬物を、箪笥に仕舞いながら、防虫剤を入れ替えた。

朝食が充実していたので、お昼は軽く済ませ、午後から吉祥寺にジャズを聴きに行った。

本当は、ウォーキングを兼ねて行きたかったのだが、あまりの蒸し暑さと、ぎっくり腰になりかけた夫の腰をいたわって、電車を利用した。

 向かった先は、吉祥寺本町にある「SOMETIME」というジャズ喫茶である。私は初めてだったが、夫は大学生の頃、何回か来たことがあるそうだ。

 30年ぶりに訪れた「SOMETIME」は、店内が当時のままということで、夫はタイムスリップしたようだった。

 夫の学生時代を知らない私は、傍らでその様子を見守った。

 お昼のセッションがあるのは土・日曜日の午後のみである。この日は、ピアノ千葉史絵、コントラバス国分航一、ドラム川村成史というカルテットバンドだった。

 カクテル(マンハッタン)とピザを頼んで、飲んで食べているうちに、演奏が始まった・・・とたん、店内が静まり返った。

 違和感を感じながらも、私たちも静かに演奏を聴いた。

 千葉さんはきっと真面目な人なのだろう。そつのない演奏だった。

 幸か不幸か私は、ニューヨークのブルー・ノートとヴィレッジ・ヴァンガードで、ジャズデビューをしてしまった。

 ジャズを知らないうちに、いきなり世界最高級のジャズに触れてしまったのだ。解らないながらも、いいものを聴き分ける耳が出来てしまったのである。

 絵画もそうだったが、本物に触れるということの凄さを、また感じてしまった。

 それと、先ほど違和感を感じたと書いたが、この違和感とは、ジャズを聴きながら食事も会話も楽しむのが自然だと思うのだが、まるで、発表会を聴きに来ているような雰囲気だったこと。

 あとで分かったのだが、これは、聴きに来ている人の半数位が、バンドの関係者、友人とか音楽仲間だったことに因る。

 それと、これは日本人の国民性だから仕方ないのかもしれないが、演奏者のサービス精神が旺盛でないことがある。

 例えて言うならば、ブルー・ノートは「楽しませてやるから聴きにおいで!」、ヴィレッジ・ヴァンガードは「最高のものを聴かせてやるぜ!」、そしてサムタイムは「よろしかったら聴きに来て下さい」という感じかな?

 とは言いつつ、チャージ料1,000円の価値は十分あるし、1か月に一度くらいはいいよね、という話になってはいる。

 ジャズの後は、例のワインショップに寄って、タイムセールの白ワインを2本買った。

 帰りがけ、あるショップの前で夫が、「あれ、似合うんじゃない?」と目に留めたローズピンクの花柄のマキシドレスを、当ててみたら本当に似合ったので購入した。値札を見たら30%オフでお買い得だった。

 朝の焼き立てパンから始まり、昼はジャズ、夜はお決まりのワインで、充実した日曜日をまたしても送ってしまった。

 よくも身体がもつものだと我ながら思うが、溜まったストレスを上手に発散させているらしく、体調はとてもいい。

 ただ、ワインを飲むと、決まってそのまま1〜2時間寝てしまうのは、やはり、身体は疲れているのだろう。

 この日も、リビングの床(冷たくて気持ちいい)に横になったら寝入ってしまった。夫が言うには、死んだように寝ていたので、試しに蹴ってみたがビクともしなかったとのこと。

 まったく、何をされるか分らないので、自宅では、おちおち寝てもいられない!