7月8日(木) 懐かしの母校
久しぶりに朝から晴天に恵まれた。暑かったが、幾分、湿度は低かったように思う。
今日は仕事で、タクシーに乗って、都内を3時間ほど走った。
行き先を告げた後は、賃走ではなく、貸切の契約料金だったので、回るルートは特に指定せず、運転手さんにお任せした。
仕事の度にお願いしている、馴染みの運転手さんなので、こちらも安心して乗っていられる。
最初に区役所に立ち寄ったのだが、不在者投票をする人で、いつもより混雑していたという話から、参議院議員選挙の話題になったり、先週末、夫婦でトレッキングに行った話から、趣味の話題になったりした。
トレッキングの話は、今日は少し疲れているので寝たいな、と思って持ち出したのだが、サービス精神旺盛な運転手さんには、うまく伝わらなかったらしい。
もっとも、私も寝たければ勝手に目を閉じてしまえばいいのだけれど、車の運転は嫌いではないので、都内の道を覚えるチャンスとばかり、窓の外を眺めている。
一つ目の仕事を終え、池袋から杉並区内に戻る途中、思いがけず、母校の正門の前を通りかかった。
母校の正門は、国の重要文化財にも指定されているほど、由緒正しい門で、近年修復されて、すっかり綺麗になっていた。
修復されたことは、母校の広報紙で知っていた。建ったばかりの門は、恐らく、今の姿に近かったのだろう。
私としては、年季の入った、何とも古びた感じのする門の方が好きだったが、そのままにしておいたら、鉄の門は錆びて、ボロボロになってしまうのだから仕方がない。
ちょうど期末試験なのだろう、夏のセーラー服姿の生徒を何人か見かけた。
正門までの中距離ダッシュに、息を切らせていたあの頃の私が、そこにいるようだった。
何をするにも一生懸命だったあの頃。なんであんなに肩に力を入れて生きていたのだろう、と今は思うが、あの頃あっての自分である。
そんなことを考えているうちに、あっという間に通り過ぎた。
今の私が、セーラー服を着た姿を想像するとちょっと怖いが、考え方や気持ちは、もしかしたら今の方が若いかもしれない!
“ポジティブ!ポジティブ!”と呪文を唱えて、次の仕事に向かったのだった。