8月18日(水) 機械に詳しい人

 今日職場で、笑える出来事があった。

 4時もだいぶ過ぎた頃、私は、今日中に終わらせなければならない仕事を片付けていて、ふと、先程同僚のSさんが、「コピー機の画面表示が薄くて読みにくい」と言い出して、それに対してYさんも、「朝からそう思っていたけど、自分の目が悪くなったと思っていた」と話していたことを思い出した。

 その際Yさんが、「修理の人に見てもらわなくては」と言っていたので、私はてっきり、メーカーに連絡してくれたものと思っていた。

 ところが、今になっても、修理の人が来ないので、念の為、電話をしてくれたかどうか尋ねると、そう言えばまだしていない、という返事だった。

 急いでコピー機のところに行って状態を確認し、たぶん、画面コントラストの調整をすればいいらしいことは分かったが、いろいろ試しても、その項目が出て来なかった。

 今日は無理にしても、明日一番に来てもらって、調整してもらおうと思い、メーカーの修理受付に電話した。

 具合の悪い時は、身体の事なら医師に、機械のことならメーカーの人に、大げさに不具合を話すのが私流。

 電話受付の女性に「操作パネルの文字が見えなくなった」と伝えると、「もしかしたら、お客様ご自身で調整できるかもしれませんので、ただいま、“機械に詳しい者”に代わります」と言われた。

 コピー機は隣の部屋にあるので、急いでYさんにコピー機のところに行ってもらい、私が“機械に詳しい人”から聞いたことをそのまま口に出して、同時に操作してもらうつもりだった。

 「ただいま、・・」と言われた割に、随分待たされたあげく、「“機械に詳しい者”は全員手がふさがっておりますので・・」ということで、折り返し電話をもらうことになった。

 やる気満々のYさんには悪いことをしてしまった。

 折り返し電話が来た時には、ちょうど私がコピー機のところにいたので、私がコピー機、Yさんが電話担当になった。

 Yさんが、「別の者がコピー機の前で待機しておりますので・・」と言って、“機械に詳しい人”の説明が始まった。

 「コピー機の左側に・・」とYさんが口に出した途端、私は画面コントラストの操作方法を理解してしまったので、YさんにOKサインを何度も出したのだが、まだYさんは指示を聞き続けていた。

 何度もOKサインを出し続けて、ようやく「直りました」と言って電話を終えた。

 その後、画面コントラストキーの場所を、SさんとYさんにも教えて仕事に戻った。

 席に戻って3人で、電話受付の女性が、画面コントラストキーの場所さえ教えてくれれば、何も“機械に詳しい人”の指示を受けるほどのことでも無かったね、という話になった。

 さらに、“機械に詳しい人”に対して、画面コントラストの調整をするだけなのに、「コピー機の前で待機しております」と言ってしまったYさん。

 受話器の向こうでは、“機械に詳しい人”が、「待機するなんて、大げさなことではないのにな〜」、と思っていたに違いない、もしかしたら、「今日、画面コントラストの調整方法を説明するのに、待機されてしまったよ」と酒の肴になってしまうかもしれない、などということを想像したら、急に可笑しくなってしまって、3人で笑ってしまった。

 3人とも気持ちだけは、箸が転げても可笑しい年齢である。

 止めの一言は、Yさんの「だからおばさんは困るよ、と言われてるね」。

 「大丈夫、電話では顔は見えないから・・」(笑)