9月7日(火) ブローシャー(brochure)

 今日は小冊子の話である。

 ニューヨークで美術館を訪れた際、夫から「受付で案内をもらって来て」と命じられ、「パンフレットね」と答えたら、「ブローシャーと言えば通じるから」と言われた。

 私は恥ずかしながら、ブローシャー(brochure)という言葉を知らなかったが、確かに、よく通じたのだ。

 最近、人の名前が出てこなくなった(今のところ、後から必ず思い出せるのだが・・)、と思っていた矢先、このブローシャーという単語を思い出せず、調べるという事があった。

 ブローシャーは、ウィキペディアの「小冊子」という括りの中に見つかった。「小冊子」と呼ばれるものには、他にも、パンフレットとブックレットがあった。

 日本語で使われるニュアンスと、英語における区別が若干異なるものもあった。

 「ブックレット」は同じニュアンスで使われている。英語では、小型の本。小冊子。日本語では、表紙があり、きちんと綴じられたページ数の少ない本。

 「パンフレット」は、英語では、ハードカバーや装丁の無い仮綴じされた小冊子。日本語では、用途にも言及していて、各種案内・説明・宣伝広告などに用いられる、複数ページの印刷物を仮綴じしたもの。一枚刷りの印刷物は「リーフレット」と呼ぶ。

 そして、「ブローシャー」は、英語では、広告や案内などを目的とした高品質で多色刷りの印刷物。一枚刷りか複数ページは問わない。日本語では、外観にも着目していて、デザインやレイアウトに工夫を凝らして図版を多用し、企業や学校などの案内、商品などの説明をできるだけ具体的に、わかりやすく伝える印刷物、としている。

 さて、調べてみると、ニューヨークで「パンフレット」ではなく、「ブローシャー」という言葉を使ったことは正しいことが分かった。

 日本で、外来語として定着している言葉を使う際には、注意が必要だということである。