10月14日(木) 力尽きた鳩
昨日、用事を済ませて自宅に戻ると、庭に野良猫がいた。こんなことは、珍しくも何ともない。「しっ!」と軽く追い払って、玄関ポーチに上がって、鍵を開けようとしたら、視界の隅に、一羽の鳩が入った。
夕方から、小雨が降ったりしていたので、雨宿りかな?と、あまり気にも掛けなかった。
しばらくして、夫が仕事から帰って来て、玄関のチャイムを鳴らしたので、出迎えに出た。
すると、先ほどの鳩がまだいるではないか。場所は玄関の左から右へ移動していたが、やはり、じっとしていた。
「おかしい!」とさすがに思い、観察したが、大きな怪我はしていないように見えた。
以前、ハムスターを飼っていた時にお世話になった獣医さんに電話をして、鳥を診察してくれる病院を紹介してもらったが、あいにく休診日だった。
タウンページで近所の動物病院を調べて、連絡してから連れて行った。
診察の結果、ひっかき傷はあるものの、それ自体は致命傷ではなかった。
猫かカラスに襲われたようだが、それは、その時すでに弱っていたためとのことだった。
さらに観察すると、嘴や背中に肉腫があり、胸の筋肉も衰えていた。羽ばたくことはおろか、つかまることすらできない状態だった。
処置としては、傷を消毒して接着剤で付けて、抗生物質と栄養剤とショック止めが入った注射を打ってもらった。が、今晩が峠と診断された。
自宅に戻り、パンをちぎって与えてみたが、食べようともしなかった。
獣医さんの診断通り、その晩のうちに、力尽きて眠るように亡くなった。
今朝、出勤前に動物病院に立ち寄り、埋葬をお願いした。
最期に保護してあげたことで、亡くなった後、猫やカラスにつつかれなかったことだけでも、鳩さんにとっては幸せだったと、獣医さんから言われた。
一晩だけの縁だったが、眠るように亡くなって逝った鳩さんの姿は、忘れられない。