10月28日(木) 「事業仕分け第3弾」を傍聴した!


 今日は、出勤時間に合わせるかのように、本格的な雨が降り出した。昨日に引き続き気温も上がらず、寒い一日だった。

 午前中の勤務を終えたあと、午後から休みを取って、最寄駅で夫と待ち合わせ、サンシャイン文化会館に、行政刷新会議ワーキンググループ「事業仕分け第3弾」を傍聴に行った。

 昨年の第1弾の傍聴以来、約一年ぶりである。

 最初は、「年金特別会計」の仕分けを傍聴しようと思って行ったのだが、受付で配布されたスケジュール表を見ると、主だった事業は、午前中に既に終わっていたので、急遽、「社会資本整備事業特別会計」の仕分けを傍聴することにした。

 ニュースでは、仕分け初日の昨日は、空席が目立ったと報道していたが、今日は冷たい雨が降っているにも関わらず、立ち見が出るほど盛況だった。

 運よく席を見つけて、座ることができた。

 道路関係は、道路整備事業・直轄国道の管理、治水・河川関係は、治水事業・スーパー堤防事業・水資源開発事業交付金・河川砂防の管理、空港関係は、空港整備維持運営の各事業の仕分けが行われた。

 仕分けも第3弾ともなると、お役人たちも想定問答集でも作成して、答弁の練習をしてきたかのように、慣れたものであったが、相変わらずお粗末だった。

 治水事業の中の、スーパー堤防事業は、廃止とされた。評価人10人中9人が廃止の評価を下したからだ。

 スーパー堤防は、200年に1度の災害に耐えうる堤防で、その完成にこのままのペースでは400年かかると指摘された。事業開始から20年経っても、総事業の5%しか完成していないらしい。

 400年後、誰が事業の責任を取るというのだろう。

 さらに、完成した30kmのうち重点整備区間は12kmしかない。このことは、住宅人口密集地・国の中枢機能密集地の防災の観点から造られるはずのスーパー堤防が、実際は、まちづくりの合意が出来たところからやっているに他ならない。

 スーパー堤防事業の廃止を告げた議員が、スーパー堤防は“スーパー無駄遣い”と言い放ったのは、爽快だった。

 空港整備・維持運営事業では、ざっくり計算して、国民一人当たり約1万円負担していることが分かった。

 さらに、航空保安協会(空港の警備)は解散することが決まっているのに、解散まで7年かかると言っていた。その理由が、プロパーの職員の就職を斡旋するのに、時間がかかるからだという。

 ふざけるな!民間企業なら、倒産するという時に、社員の再就職先を斡旋しないし、まして、再就職先が決まるまで清算を待たない。

 甘ったれるのもいい加減にしろ!の世界であった。

 当然のことながら、空港整備勘定は民営化することで、将来的には廃止、関連法人の解散を早急に行うこと、との意見が言い渡された。

 今回傍聴した、社会資本整備事業特別会計の仕分けは、事業内容が身近かでイメージしやすかったので、よく理解できた。

 仕分け作業により、無駄な事業が廃止、予算圧縮などの見直しがなされることは、とてもいいことである。

 ただ、簡単に見直しされるような事業が、事業として成立していたこと自体が問題だと思う。

 各省庁間の無意味な予算獲得競争は、いい加減止めにして欲しい。尤も、天下り先の確保のためには、数多くの植民地が必要であり、そのためには、お金がかるのだろう。

 また、たとえ各事業が民営化されても、多くの株式を国が保有したりするのでは、真の民営化とは言えない。

 事業仕分けは、もしかしたら、無駄な事業の廃止、予算圧縮ができたことより、普通の人たちの目を国政にむけさせた効用の方が大きいかもしれない。

 いずれにしても、この点に関しては、“熱しやすく冷めやすい”、“喉元過ぎたら熱さ忘れる”といった日本人お得意の欠点は、是非とも克服しなくてはならない。

 私自身、これからも問題意識を持って、一国民として政治を見守って行きたい。