11月3日(水) 大学生の会話

 昨日、仕事帰りに用事を済ませ、四谷の駅から中央線に乗り換えて、帰宅する際の話である。

 ちょうどラッシュの時間と重なり、車内はとても混んでいた。

 私は、同じく四谷駅から乗り込んだ大学生4人組(男女各2人)に、半分囲まれる形になり、彼らの会話が、否が応でも、耳に入って来てしまった。

 その会話の内容から、彼らは恐らく、同駅にある名門J大学の1年生と推測された。

 彼らの悩みは、入学して半年も経つと、友人関係が固定化してしまい、面白味に欠けるので、人間関係を拡げたい、というものだった。

 同じ“テニサー”(テニスサークルの短縮形)に所属しているらしく、お互いの名前は知っているのだが、所属学科はこの時まで知らず、確認し合っていた。

 男の子は二人とも、教育学科で教師を目指しているらしい。女の子の一人は法律学科、もう一人の女の子は“ガイエー”(外国語学部英語学科の短縮形)に在籍している。

 “ガイエー”という言い方が、あまりにも自慢気で可笑しかったので、自宅に戻ってから調べたら、2011年度入試の三大予備校の偏差値の平均は、教育学科62、法律学科65.2、ガイエー63.7であった。

 入試レベルでは、“ガイエー”が一番優秀ということではないようだ。

 さて、人間関係を拡げる話しに戻そう。

男の子の一人が、もう一人の男の子が“インカレ”(インターカレッジの短縮形。大学間をまたいでいることの意。ここでは、インカレサークルの短縮形で使用された模様)で成功したので、自分もやってみようと思っていると発言。

 さらに、“インカレ”で成功した男の子は、“テニサー”と“インカレ”の他に、ジャズサークルにも入っているが、こちらは部費を納めただけで、一回も出ていないらしい。

 さてさて、同じ“テニサー”に所属しながら、半年経っても、お互いの所属学科を知らなかったり、サークルに所属しながら参加しなかったり(幽霊部員は私たちの頃にもいたが)、人間関係を拡げる前に、現在の人間関係を深めてみたら如何なものかと思ってしまった。

 今どきは、広く浅い人間関係が流行りなのかもしれないし、確かに大学時代に色々なタイプの人と知り合いになることは、社会に出てからの財産となるかもしれない、と真面目に考えたりもした。

 そうこうしているうちに新宿駅に到着して、押されるまま車外に出た。私は、ホームに降りたついでに、下車駅の階段に近い車両まで歩いて移動した。

 四谷駅から新宿駅までの5分の間に、大学生の会話で楽しませてもらった。

 あれ、もしかしたら、人間関係を拡げるって、彼氏彼女を作るってことか!

だって、あの男の子、「“インカレ”で成功した」って言ってたものね。

頭の回線は、いつもの如く、後になってから繋がったのであった(笑)