5月26日(木) 初めてのPA、見慣れない標識

 先週の日曜日、北軽井沢に日帰りドライブに行った帰りの話である。

 私たち夫婦は、北軽井沢にドライブに行く時は、関越自動車道の上里SAでトイレ休憩を取ることが多い。運転に疲れれば、交替することもある。

 しかし、この日は、行きも帰りも、敢えて寄居PAで休憩を取った。

 それというのも、少し前に、寄居PAを紹介しているテレビ番組で、サン=テグジュペリの『星の王子さま』をコンセプトに、リニューアルオープンしたと言っていたからだ。

 これは、行ってみるしかないと思い、早速行きに立ち寄ったが、何のことはない、普通のPAでがっかりしてしまった。

 『星の王子さま』は上り線PAなのね、ということが分かり、帰りに寄ることにしたのだった。

 そして、いよいよ帰り道、寄居PAに入って感動した。まるで、南フランスの街並みそのものだったからだ。

 PAなので、規模にはやや難点があるが、今までのPAのイメージからは、かなり進化している。

 オープンしたのは、2010年6月30日というから、まだ1年も経っていないのに、再リニューアルをするらしく、工事中であったのは残念だった。夏休み前には、更に進化した姿で登場することだろう。

 夜だったので、散策の小路を歩くことはしなかったが、ショップを覗いたら、フランスを中心としたヨーロッパのお菓子や、輸入雑貨が販売されていて、見ているだけで楽しくなってしまった。

 レストランでは、南仏プロバンス地方の家庭料理を中心としたメニューが、リーゾナブルな値段で提供されている。

 「立ち寄る場所」から「目的地」へ進化するSA・PAの中でも、テーマ型PAとしての寄居には、今度、昼間ゆっくり来てみたい。


 寄居PAを後にして、少し走って、花園ICを過ぎた辺りで、見慣れない標識が目に入った。「ゆずり車線」というものだ。

 名前からして、所謂「登坂車線」と同様のものだということは分かる。確かに、緩やかな上り坂になっているようだ。

 でも、この道は、数えきれないくらい通っているのに、今まで気付かなかったのは何故かしら、と不思議に思って、帰ってから早速調べたら、それもそのはず、今年の3月17日にオープンしたばかりだったのだ。

 渋滞緩和が目的のようだが、毎週末の慢性的な渋滞は、今となっては、もう無い。

 計画は10年以上前に立てられたのだろう。その頃は、男の子達は、就職すると、先ずは自動車を購入し、彼女を助手席に乗せて、ドライブデートをするのが、一種のステータスだったように思う。

 でも今は、大学を出ても就職出来なかったり、就職出来たとしても、契約社員だったり、派遣社員だったり、収入の継続が約束されていない場合が多々ある。

 草食系男子の出現で、そもそも、女の子や自動車などに、興味を持たなくなった男子が増加したということもあるだろう。

 中高年はと言えば、老後の年金が当てにならないことが分かって、無駄遣いせず、せっせと貯蓄に励んでいる。

 子育ても終わり、家族の移動手段としての車は必要なくなり、まして、自宅が最寄駅から徒歩圏内なら、送り迎えの必要もない。

 贅沢品である自動車を手放す人も増えていると聞く。

 話は横道に逸れたが、つまり、一見、渋滞が緩和したように見えるが、それは、「ゆずり車線」が完成したからではなく、そもそも通行量が減少しているのだ、ということが言いたいのだ。

 震災が起こって、最近、つくづく思うのだが、お金の使い方を、真剣に考える時がきた。

 お金は、真に必要なものに、必要なだけ使い、我慢出来るところは我慢する、小さい時に教えられた、そんな当たり前のことを、今一度思い出すべきだろう。