7月6日(水) 怪我の功名?
今日は、朝からおめでたい話題が飛び込んできた。同僚に、二人目のお孫さんが誕生したのだ。予定日より数日早かった。
なぜ私が予定日まで知っているかと言えば、彼女が、お孫さんの誕生と同時に、一人目のお孫さんの世話をするため、お休みを取ることになっていたので、その前にと思い、結果から言うと、生まれる前日になったのだが、昨日、私は有給休暇を取った。
昨日は、夫も講義が無かったので、一緒に出掛けることになっていた。行き先は、上野にある東京国立博物館である。
実は先週も、六本木の国立新美術館に、「ワシントンナショナルギャラリー展」を観に行ったばかりだったが、この展覧会のチケットを買うとき、同時に東博の特別展のチケットも購入してあった。
天気予報は雨だったが、朝起きてみれば快晴。久しぶりの平日休暇なので、夫を急かして、10時には自宅を出発。11時前に東京国立博物館の正門に到着した。
特別展だというのに、やけに閑散としているのが少し気にはなったが、持っていたチケットを2枚出して通ろうとすると、「お客様、こちらは、7月20日からでございます」と言われてしまった。
私は年甲斐もなく、「ウッソー!」と黄色い声をあげて、チケットを見直すと、確かにその通りだった。私が持っていたチケットは「空海と密教美術展」、会期は7月20日から9月25日となっていた。
「ワシントンナショナルギャラリー展」と同時に購入したので、同じ頃やっている展覧会と思い込んでしまって、確認をしていなかった。
速やかに回れ右をして、今来た道を戻った。
夫には、嫌みの一つや二つ、言われる覚悟でいたが、あまりの間抜けさに、開いた口が塞がらない様子だった。
せっかく上野まで来たのだから、国立西洋美術館で、この日から始まった「大英博物館古代ギリシャ展」でも観て帰ろうかとも思ったが、大英博物館には二人とも行ったことがあるし、ニューヨークのメトロポリタン美術館の古代ギリシャの展示も充実していたので、少し食傷気味だったため、結局パスして、そのまま新宿に出た。
損保ジャパン東郷青児美術館でも覗いて帰ろう、ということになったからである。
ところが、高層ビルの地下から、エレベーターに乗って、美術館に行こうとしたら、警備の人に、「どちらに行かれるのですか?」と聞かれて、「美術館です」と答えると、なんと、「美術館は展示替えのため休館中です」と言われてしまった。
こんなことがあっていいものか。落胆して、ランチをする気力も失せたので、ひとまず、お弁当を買って、書店に寄ってから自宅に戻った。時間は12時半を回っていた。
お昼を食べ終わって、午後からどうしようかという話になったが、午前中の時間を無駄遣いさせてしまったので、私は大人しく、買って来たオペラのDVDでも観て過ごそうかと思っていたら、上野で冗談で口にした、“午後からは葉山へドライブ”が、現実となった。
2時過ぎに出発。3時半には葉山に着いた。いつも行く葉山ホテル音羽ノ森で、コーヒーとマンゴーパフェをオーダーして、平日の午後をのんびりと過ごした。
帰りがけ、長者が崎海岸の浜辺も少し散歩した。夕日はさぞ綺麗だろうと思ったが、一番昼間が長い時期なので、まだまだ沈みそうにもなかったため、帰路に着いた。
上野で特別展を観たていたら、ランチをして帰宅、帰宅後はDVD鑑賞という一日を過ごしていただろう。展覧会を観られなかったお陰で、葉山までドライブ出来たのだ。
これこそ、怪我の功名。展覧会はまた、後日足を運べばいい。海風に吹かれながら、誰もいないテラスで、コーヒーとパフェをいただきながら、平日の午後をゆっくりと過ごす。私にとっては、最高の休暇となった。