11月1日(火) 祖母の思い出

 今日未明、私の母方の104歳になる祖母が亡くなった。ここ半年は病院に入院しており、今日の仕事帰りに、久しぶりにお見舞いに行こうと、思っていた矢先の訃報だった。

 祖母の思い出は色々あるが、母方の祖母と言うことで、小さい頃は母に連れられて、よく泊りに行った。

 祖母の家は、呉服商を営んでいたのだが、洋服も扱っていたので、従姉妹たちとお店が閉まってから、よくファションショーをして遊んだ。

 夜は、欄間のある和室で寝るのだが、花に鳥か何かの模様のそれは、ちょっと不気味に感じられた。お店の前を自動車が通ると、シャッターがガタガタ揺れる音も、子ども心に怖かった。極めつけは、夜のお店のマネキンたちであった。

 学生時代、まだワープロが普及していなかった頃、呉服展示会の案内状の宛名書きのアルバイトを頼まれた。

 私の通っていた学校が、比較的近かったので、孫の中から私が選ばれたというわけだ。

 祖母に一番お世話になったのは、私の婚礼準備の時である。黒留袖、訪問着などの着物を作るのに、一緒に柄を選びに行ってくれた。

 子どもが生まれてからは、母と一緒に何度か訪ねたことはあったものの、回数はだんだん減っていった。

 何年か前、白寿(99歳)のお祝いを都内のホテルで行った。ひ孫まで集まり、次回の大がかりなお祝いは105歳としたが、そのお祝いを迎えることなく亡くなってしまった。

 祖母は、子どもが6人、孫が15人、ひ孫が17人いた。ひ孫の中の一番年上の女の子が、来春結婚することになったので、玄孫も夢ではなかったのだが・・・

 90歳を過ぎてから、祖母を軽井沢、池の平湿原に連れて行ってあげたのが、最後の大きなお祖母ちゃん孝行だったかな?

 池の平湿原では、老人を捕まえては「おいくつですか?」と質問して、自分の方が年長だということが分かると、とても嬉しそうな顔をしていたのが忘れられない。

 元気なうちに、もっともっと話しをしたかったが、今は、長年お疲れ様でした。そして、ありがとうの感謝の言葉を贈りたい。