11月7日(月) 遅まきながらの“もしドラ”

 先週末は、祖母の葬儀に参列したり、数か月前から予定されていた、息子の大学の学部長面談に出向いたり、その足で、国道を60km走って、夫を大学の入試・会議に送った。

 連日の外出に加え、一般道を60km走るだけでも疲れるのに、初めて走る道だったので、さすがの私も疲れ果て、そのまま夫の研究室で休憩することにした。

 最初は、お行儀よく、机にうつ伏して寝ようと思ったが、神経が高ぶっているのか寝られず、誰もいないことをいいことに、床に寝ころんで、少しの間、目を閉じて休んだ。

 やはり寝ることは出来なかったのだが、少し身体は休まったみたいで、気力が復活した。大学は学園祭期間だったので、冷やかすのも一案だったが、そこまでの元気はなかったので、研究室の書架を物色することにした。

 パラパラめくって、結局、10冊ほど選んで、自宅に持ち帰ることにした。

 その中の1冊が、岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』だった。

 2009年暮に出版され、書店で山積みされていた、あの本である。夫はもちろん、娘が読んでいたことも知っていたが、今日まで読まずにきてしまった。いい機会と思い読むことにした。

 ドラマ仕立てなので、読みやすく、でも、ドラッカーの『マネジメント』のエッセンスは盛り込んであるのだと思った。

非常に啓発され、こんな本に高校時代に出会っていたら、私の進路も違うものになっていたに違いないとさえ思えた。

ドラッカーの『マネジメント』も研究室にあるというので、夫に持って来てもらうことになっている。


 進路を決める時、自分では一生懸命考えたつもりだったが、大人になって振り返ってみれば、実際は、その時教えてもらっていた教師や、傍にいた友人の影響を受けていたり、その頃読んだ本に啓発されていたり、偶然が作用していたと思う。

 私の場合、高校の日本史演習の授業で、原史料を読み解くことに興味を覚え、大学は史学科に進学したのだった。では、なぜ、日本史演習を選択したかと言えば、単に、歴史の先生が好きだったからに過ぎない。

 英語科に素敵な先生がいれば、英語演習を選択し、英文科に進学していたかもしれないし、政治経済の先生が好きだったら、政治経済演習を選択し、法学部や経済学部に進学していたのだと思う。

 そんな偶然で、大袈裟に言ってしまえば、人生の進路が決まってしまうのである。もちろん、進路変更は可能だし、私自身、第二の職場は、専門とはかけ離れている。

 この先も、もしかしたら、違う展開があるかもしれない。

 でも、全ての事象は、偶然のようでいて必然。言ってしまえば、運命。最近そんなように思うようになった。

 その究極は、結婚。そう考えなければ、違う人生を歩んでいた他人が、出会って、人生を共にする、などという神業を、成し遂げられるはずはない。