3月11日(日) 先週に引き続きの銀座行き

 この日、私は夫に付き合い、新宿の紀伊国屋書店本店に行き、その足でH&Mで春物を少しだけ選んだ。

その後、新宿三丁目から丸の内線で銀座に出た。この日のメインは、有楽町マリオンの11階にある有楽町朝日ギャラリーで開催されている「東日本大震災報道写真展」を観ることと、映画「タイム」を鑑賞することだった。

 写真展を観に行こうと思ったのは、震災からちょうど一年経って、私なりに震災について振り返ってみようと思っての行動だった。

テレビの映像のように、映し出された風景が流れて消えないので、ある意味残酷である。あったはずの街並みと、津波に流れされた後の風景が、並べて展示してあるからだ。

 入場は無料だったが、また少しだけ寄付をして会場を後にした。

 エスカレーターで9階まで下りて、TOHOシネマズ日劇で「TIME/タイム」を鑑賞する。

 スラム育ちの主人公ウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)と富豪の娘シルビア(アマンダ・セイフライド)、本来なら出会うはずのない二人が運命的な出会いを果たし恋に落ち、世界秩序を変革するために立ち上がる、というストーリ。

 この世界秩序の設定が面白い。すべての人間の成長が25歳でストップする近未来。世界を支配するのは“時間”。25歳になると余命は1年。通貨=時間社会。労働の対価は時間、決済は時間。

 富裕ゾーンに住む住人は時間を搾取し、ほぼ永遠の命を享受している。それに引き換え、スラムゾーンの住人の平均余命時間は23時間。明日生きるために、寝る時間を削って労働する。

 そんな社会秩序をひっくり返すために二人の主人公は戦うのだ。

 いつまでも若くいたいと思うし、働く女性は、食べ物・衣料品のほかに、美しくなるために月収の15%を投資する、という数字もある。

 ただ、映画を観ていて、富裕ゾーンの住人よりも、スラムゾーンに生きる住人のほうが活き活き感じられるのは気のせいか。

 生き続けることに疲れた富裕ゾーンの住人が自殺するが、彼の「身体は元気でも、心が消耗してしまうこともある」という言葉にはドキッとした。

 人間、身体と心が比例する形で年を重ねることが一番幸せなのかも知れない・・・と分かったつもりだが、まだまだ老けてはいられないと、水鳥のように澄ました顔をして、水面下では足をばたつかせて足掻いている私がいる。