7月18日(水) 「フェルメール光の王国展」を観に行った!

 三連休最終日の16日(火)は朝から暑かったが、西武池袋本店別館にある西武ギャラリーに、「フェルメール光の王国展」を夫と観に行った。招待券をもらったまま機会を作れず、最終日になって漸く行くことが出来た。

 フェルメールと言えば、今、上野の森にある東京都美術館で開催中の「マウリッツハイス美術館展」には「真珠の耳飾りの少女」と「ディアナとニンフたち」が、国立西洋美術館の「ベルリン国立美術館展」には「真珠の首飾りの少女」が来日中?である。

 両展覧会の前売り券は既に入手済みだが、鑑賞する前にフェルメール作品の総復習をと思い出掛けた訳である。

 フェルメールは43年間の生涯を終えるまでに、わずか37点の作品しか描いていないことで有名である。その37点全てのリ・クリエイト(再・創造)作品が年代順に展示されていた。

 私は数年前、六本木にある新国立美術館の特別展で「牛乳を注ぐ女」を観たのが、フェルメール作品を認識した最初である。

 その後、ニューヨークを訪れた際、「メトロポリタン美術館」で「窓辺でリュートを弾く女」と「窓辺で水差しを持つ女」と「少女」を観た。あと2点あったようだが、観そびれてしまった。

 「フリック・コレクション」では3点所蔵しているが、どの作品を観たのか記憶が曖昧になってしまった。

 せっかくの機会だったのに、あまりにも色々な画家の作品を一度に観てしまったので、私のキャパシティーを越えてしまったのだろう。

 話は「フェルメール光の王国展」である。同展を監修したのは、分子生物学者の福岡伸一氏で、『生物と無生物のあいだ』の著者として知られている。

 ギャラリーに着くと、10分も待たずして、その福岡伸一氏が作品を解説しながら会場を回ってくれるツアーがあるという。まだ数名の枠があるというので迷わずに並んだ。

 分子生物学者の福岡伸一氏とフェルメールが結びつかないでいたが、顕微鏡の父アントニ・ファン・レーウェンフックを調べているうちに、同じ年、同じオランダのデルフトで生まれたフェルメールに興味を持ったということだった。

 フェルメールの「天文学者」「地理学者」は男性がモデルだが、レーウェンフックとも言われている。

 福岡氏は、レーウェンフックが英国王立協会に宛てた書簡の中に、観察スケッチを見出したが、それはフェルメールの手に依るものではないかという仮説を立てた。

 フェルメールの素描画は発見されておらず、今後発見されるようなことがあれば、仮説は検証されることになり、真偽が明らかにされるだろう。自称“オタク”も、ここまで極められれば本望だろう。

ツアーの最後に、フェルメール作品37点のうち34点(2点は個人蔵、1点は盗難され行方不明)を見て回った記録『フェルメール光の王国』に、福岡伸一氏のサインをもらって帰って来た。

 このツアーは急に決まったらしく、前宣伝をしていなかったので、とても得をした気分になった。上野に本物を観に行くのが楽しみである。