11月29日(月) 日光東照宮「神厩舎」の猿たち


 今日は、昨日訪ねた日光東照宮の、「神厩舎」の猿の彫刻についてである。

 厩舎、つまり平たく言えば馬小屋であるが、なぜ馬小屋に猿の彫刻があるかと言えば、古くから猿は馬の病気を治すという信仰があり、馬の守神とされてきたからだそうだ。

 「神厩舎」には、猿の彫刻が8構図あるが、中でも有名なのは、言わずと知れた、「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿である。

 「神厩舎」の前にあった解説を読んで、今回初めて認識したのだが、「見ざる・言わざる・聞かざる」の意味は、「子どもの頃は、悪い事を見たり、言ったり、聞いたりしない方がよい」ということだそうだ。

 「子ども」限定だとは知らなかった。

 興味を覚えて、猿の彫刻8構図のそれぞれの意味を調べてみた。

①母子の猿―母猿は子猿の幸せな未来を願い、子猿は母猿を信頼している様子を表現し ている。
②見猿・言わ猿・聞か猿―子どもの頃は、悪いことを見たり、言ったり、聞いたりしな い方が良いという意味。
③座っている猿―幼年期から少年期になり、そろそろ一人立ちする時期だが、まだ立つ ことが出来ないでいることを表現している。
④上を見上げる猿―志を抱く青年期を象徴している。
⑤下を見る猿―人生の崖っぷちに立たされた際、友人が寄り添ってくれているところを 表現している。
⑥物思いにふける猿―恋でもして、何もする気力がない状態を表現している。
⑦結婚した猿―手と手を取り合って歩んでいきましょうという意味。
⑧妊娠した猿―妊娠して子どもが生まれる。そして、また①に戻る。

 今まで、三猿しか見なかったが、今回、他の猿の彫刻をよくよく見て、感動してしまった。特に私の心に残ったのは、⑤の「下を見る猿」である。

 彫刻は猿の形をしているが、とても、猿事とは思えず、人間に置き換えて眺めてしまった。

 それにしても、⑧の妊娠をして子どもを産んでから、その先の長いこと。

 まだまだ頑張らなくっちゃ!